巖谷國士講演★〈遊ぶ〉シュルレアリスムー不思議な出会いが人生を変える@損保ジャパン東郷青児美術館

7.13ー不思議な出会いが人生を変えるーご報告!

いよいよはじまった「〈遊ぶ〉シュルレアリスム」の東京展。

すでに★先生のご著書を手にしていた人も(ある人たちは待ちきれず徳島展を先に見て)、東京での展覧会開幕を待ちに待っていた人は多く、講演当日は500人近くの人々が会場につめかけ、あっというまに満席となりました〜すごい熱気!

 

冒頭で、★先生は3・11大震災の直後から、すでにこの展覧会が考えられていたことを明かしてくださいました。

震災のあと、六本木でのシュルレアリスム展の講演で、シュルレアリスムと自然、そして震災について話すことにした★先生は、その後の著書および展覧会「森と芸術」でも「自然とは何か?」をあらわし、シュルレアリスムがつねに時代の「いま」を感じていること(予感しているといってもいい)を教えてくださいました。シュルレアリスムの美術にあらわれるさまざまなものが、じつは現代のわたしたちの生き方にも関連している、だからこそ私たちはシュルレアリスムをもとめるんですね。

 

今回の展覧会と著書で新しく★先生が焦点をあてた〈遊ぶ〉という要素を……私たち人間にとって(本質的な)遊びとは何か、ブリコラージュとは何かを、労働やエンジニアリングと比べながら明快に解きあかしてくださいました。

これまでの芸術運動のように決まった主義や様式にしたがうのではなく、その時々、偶然に出会った材料で新しいことをやるからこそ、シュルレアリスムという運動と生き方は今日まで続いている。

人生を遊びととらえ、決まったルートをたどるのではなく、偶然の出会いに賭ける(それも友人たちと集い遊びながら!)って、なんてすてきなことなんでしょう! 

★先生のお話に、聴衆はどんどん高揚していきます。

 

この偶然の出会いとそこから生まれる不思議について、さらに★先生はお話を進め、この展覧会と著書が構成されている「第1室」から「第7室」までの、さまざまな出会いを語ってくださいました。

人と人との出会い、人とモノとの出会い、モノ同士の出会い、カメラと人・モノとの出会い、「人間みたいなもの」や風景との出会い、自然界との結びつきや自然をふたたび獲得しようとする動き、モノたちが集ってコレクションとなるさま……その後のスライド上映でも、それぞれの「部屋」ごとに作品を映しては、驚異の★視点で解説してくださるのですから、たまりません!

 

最後に★先生が瀧口さんを、生涯を一種の遊びにした人としてとりあげ、その様子をお話されたときにはなんとも切なく美しくてもう!

 

……講演後の興奮さめやらず、『〈遊ぶ〉シュルレアリスム』を手に★先生のもとに並んだ人、人、人!

 

この展覧会は、たんに美術史やシュルレアリストの作品・動きをたどるものではありません!

視野と時代は広げられ、この展覧会と著書じたいが、驚異の集うある種のコレクションになっています。

 

そこに集うわたしたちもまた! 

洋食屋「アカシア」2階での超密集夕食会は、モン・アナログ史に残るものでしょう。

作品たち、今日の★先生のお話、今日集った「人間みたいな」たくさんの人々、すべての出会いが人生を変える一日でした!!

(okj)