江戸から現代まで、当時の地図を見ながら港区の歴史をさかのぼる
今回の港区での★講演は、港区の「水」がテーマ。
これまでは港区にひろがる「森」について、縄文の遺跡が数多くのこるこの土地に、山と谷のつくる起伏が、
長い歴史の上でも、人々に森を残し木々の豊かな恵みをもたらしてきたのだとお話しくださってきましたが……
今回は、港区の「水」。
港区を走る川「古川」と「東京湾」が話題に!
いまや高速道路の下をひっそりと流れる古川ですが、江戸時代からの地図や、明治・大正・昭和の貴重な港区の風景を残した記録写真をたどっていくと、なんと! 古川の周りに、かつては広く長い河川敷がひろがり、蛍も飛ぶ、のどかで緑のうっそうとした小川の風景がありました。
高い坂の上にたてば、まぶしいばかりの太陽が見え、河川敷を歩けば、星と月にてらされた美しい月夜を楽しむことができた……港区ってそんなところだったのですね!
古川の源流は新宿御苑にあるそうで、新宿御苑といえば東京の名木・巨木のいならぶ場所(VENUS参照)。
古川は新宿御苑から港区の森の恵みを運んで東京湾へと注ぎます。
さらに東京湾のお台場といえば、江戸時代、品川の御殿山の山を削り、その土を運んで埋め立てた砲台跡地だった……なんてことも知っていました?
あれもこれも、今回の★講義で見せていただいた江戸時代の地図からわかるんです。
明治の時代にだって、いまの品川駅周辺の東海道線の線路脇まで海がせまり、そのすぐ際(きわ)で釣りを楽しむ人々の光景が、記録写真にのこっているのですから!
港区のかつての風景がなんともロマンチックで……
いまの風景がたとえ悲しくても、★講義を聴き、かつての風景を想像力で楽しみながら町を歩きはじめると、
なんだかいろいろなことが見えてきて……これがもしかして「シュルレアリスム」なのかもしれませんね!
(あぺえると)
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